エピソード

01


プリンスセス、参上!

夜も盛り、繁華街の路地裏で真面目そうな青年が震えていた。
周囲には暴漢が並び、罵声を浴びせている。レシートをヒラつかせながら、お通し1万円ビール1杯2万円…と法外な金額を読み上げていくその背中に、場違いな明るい声が投げかけられる。

「そーいうのダメだと思うなー!今からボクらがお仕置きするから、心入れ替えなきゃいけないぞ!」
そう言って華奢な少年はステッキのようなものを取り出し、光を纏いながら「変身しちゃうから、よーく見ててねー!」と手を振った。

一歩その頃、一連の光景をモニターで眺めて満足そうにする男が居た。
額にはハチマキ、両手にはペンライト。「がんばれ僕らのプリンスセス」のタスキ。
魔法少年の活動を、全財産でもって総バックアップをする司令官、ムニエルが感涙の涙を流しながら彼らの活躍を見守っていた。晩飯が週5カップラーメンでも、彼は今幸せの絶頂に居るのだ。


第2話~第3話の公開は
終了いたしました

04


まさかの敵!?魔法少女

順調に魔法少年としての活動を続けるプリンスセス達。強引に参加させられたデオンとパリスも、人助け自体は好きなので積極的に活動したいと意欲を見せ始めた。抵抗のあった衣装にも段々感覚が鈍って慣れて来ているのもある。がんばれ。でも衣装には慣れたけどアストルフォが日中人前で「プリンスセス・ブルー」って呼んでくるのは未だに慣れないし慣れてしまってはいけないと思う。もっとがんばれ。

そんなこんなで絆を深めつつ毎夜のパトロールに勤しむ3人だったが、ふと妙な気配を感じ取った。明確な敵意。それは町の酔っ払いや暴漢の放つものとは明らかに毛色が違う。

何よりもこの相手は、

「困るのよね、これ以上私達のお株を奪われちゃ」

―――魔法を、放って来たのだった。


第5話~第7話の公開は
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08


女装をやめる!?押し付けられた理性

敵対組織が【悪】ではなかったことに驚愕する3人。
『魔法少女復権協会』は、魔法少年の存在そのものが自分達の価値を損ねるものとして危惧していると訴える。絶対に魔法少年は止めないと言い切るアストルフォに、魔法少女達は使い魔のレンを差し向けた。

猛攻の末に倒れるアストルフォ。命に別状は無いわ、蒸発した理性を少しだけ過度にして返しただけよ、と白猫は笑う。心配するデオンとパリスに向かって、起き上がったアストルフォは不思議そうに首を傾げてこう言った。

「――あれ、変なのおかしいな。何でボク男なのにスカートなんて履いてるんだろ?」

第9話~第11話の公開は
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12


レインボーブリッジ

無性別の守護聖人の力を得て、レインボーフォームで復活したアストルフォ。
性別の垣根を越えて魔法少女と魔法少年は手を取り合った。

男の子であろうと女の子であろうと、好きな格好で好きなように生きて好きな事をすればいい。
共に仲間と認め合った二人は、真の敵【ザ・プレジュデス】との決着をつける為次元の狭間へと飛ぶ――

――次回最終回!